この求職者には、ファミリーレストランの通路ですでに会っているかもしれない。ネコ型の配膳ロボットBellaBotは、4段のトレイに合計40kgまで載せ、決められた卓へ料理を自律搬送する。国内ではすかいらーくグループが約2,100店・3,000台の導入完了を公表しており、デモではなく日常業務として働く代表例になっている。ただしその仕事は「運ぶまで」で、渡すのは人である。
経歴の要約
名札の三行はこうである。できることは「4段トレイ・合計40kgまでの店内自律搬送」「三次元の障害物回避と複数台の連携走行」。できないことは「料理の積み降ろし」。
厨房でトレイに載せるのはスタッフ、客席で皿を取るのは客かスタッフで、BellaBotはその間の移動だけを引き受ける。この線引きは欠陥ではなく、店という現場に合わせた分担の設計である。
所属と経歴
開発元は中国・深センのPudu Robotics。BellaBotは同社の配膳ロボットの看板機で、ネコをモチーフにした表情と音声で客とやり取りしながら働く。製品ページは飲食店と小売店を対象現場として挙げている(2026年8月14日閲覧)。
日本での経歴は導入の公表がよく残っている。Pudu Robotics Japanは2022年5月、しゃぶ葉272店舗(当時のほぼ全店)への導入完了を公表した。同年12月にはすかいらーくホールディングスが、ガスト・しゃぶ葉・バーミヤンなど約2,100店舗に3,000台のフロアサービスロボットの導入完了を発表している(同リリースに機種名の明記はないため、グループ全体の台数はフロアサービスロボットとしての公表値として読む)。
担当できる業務
中心業務は配膳と下げ膳の搬送である。厨房から卓への料理の搬送、複数の卓を続けて回る配り分け、下げ物の運搬、席への案内が公表機能に含まれる。複数台が同じフロアで働くための連携機能も持つ。
導入効果の数字は導入側が公表している。すかいらーくの2022年12月の発表では、ガストの例として、片付け完了時間が35%減、スタッフの歩行数が42%減、ランチピークの回転率が2%改善とされ、客アンケートでは9割が満足と回答したという。効果の数字は店舗条件で変わるため、この値は「この導入での公表値」として読む。
勤務条件
メーカー公表の主な仕様は次のとおりである(Pudu Robotics製品ページ・2026年8月14日閲覧)。
| 項目 | 公表値 |
|---|---|
| 本体 | 幅56.5×奥行53.7×高さ129cm・55kg |
| トレイ | 4段・1段10kg・合計40kg |
| 走行速度 | 0.5〜1.2m/s(調整可能) |
| 対応傾斜 | 5度以下 |
| 稼働時間 | 無負荷で13時間 |
| 充電 | 4.5時間・バッテリー交換式 |
| センサー | RGBDカメラ3基+LiDAR・応答0.5秒以下 |
勤務条件として効いてくるのは傾斜5度以下という一行である。段差や階段は越えられないため、働けるのはワンフロアの平らな床に限られ、通路幅と床の状態が採用可否を決める。防水性能の公表はなく、屋外は条件の外である。
人が監督する条件
BellaBotの障害物回避は公表仕様上も充実しているが、それでも店には人の監督が組み込まれている。通路に物を置かない、混雑時に走らせる範囲を決める、積み降ろしを確実に行う、止まったときに対応する。これらはすべてスタッフの仕事である。
すかいらーくの発表にも、ロボット専任インストラクターが全店舗を回り、客と従業員の声をもとに改善を重ねたとある。3,000台の導入は、機械を置く作業ではなく、人の側の運用を作る作業だったことが公表資料から読み取れる。
採用実績
公表されている国内の採用実績は厚い。しゃぶ葉272店舗(Pudu Robotics Japan公表・2022年5月)、すかいらーくグループ約2,100店舗・3,000台のフロアサービスロボット(すかいらーくホールディングス公表・2022年12月、業態別ではガスト1,251店・バーミヤン354店・ジョナサン187店など)。導入主体と機種の対応は公表元によって粒度が違うため、この台帳では両方の公表を並記している。
配膳という職種を現場側から見た分担の全体像は配膳ロボットの職務経歴へ。同じ自律走行でも倉庫という別の職場で働く同僚はProteusの職務経歴、経路を自分で考える移動方式の用語はAMRとAGVの違いで整理している。
